車には強制保険である自賠責保険と、任意保険の2つの自動車保険が掛けられているのが普通ですが、車を売った場合には、これらの自動車保険に関してどのような手続きが必要になるのでしょうか？
車を売ったら保険会社に届出が必要
車を売った際には、売った車が加入していた自動車の任意保険の会社に届出が必要になります。
保険契約期間の途中で車を売った場合で、買い替えでない場合には、払い込んだ保険料の未経過分の還付金を受けることができます。
買い替えの場合には、車の車種変更手続きをすれば、前の車に設定されていた自動車保険を、そのまま新しい車に適用することが可能になりますが、軽自動車から普通自動車に乗り替えた場合には、差額分の保険料の支払いが必要になります。
反対に、普通自動車から軽自動車に乗り替えた場合には、差額保険料の還付を受けることができます。
車を売ったらノンフリート等級はどうなるか
車を乗り替えた場合で、車種変更手続きによって、売った車に適用されていた自動車保険契約を、新しい車にそのまま適用するケースでは、売った車に適用されていた自動車保険のノンフリート等級は、新しい車にも継続して適用されるのが原則です。
車を乗り替えると、それまで無事故で積み重ねてきたノンフリート等級が6等級に戻って、自動車保険料が大幅に上昇するということはありませんので、その点は安心できます。
車の乗り替えは、自動車保険会社を変える一つのチャンスですが、車の乗り換えによって自動車保険会社を変えた場合でも、売った車に適用されていたノンフリート等級は、そのまま引き継がれるのが原則となっています。
廃車にする場合には中断証明書を取得しておくとよい
車を廃車にする場合などには、車を売った後、新しい車を取得しません。
そのケースで、将来、再度車を購入する可能性があるとすれば、自動車会社から中断証明書を取得しておきます。
この中断証明書を取得しておくと、再度車を購入して、その車に自動車保険をかける場合に、売った車に適用されていた自動車保険のノンフリート等級を適用できます。
中断証明書を取得していない場合には、新しい車を購入してその車に自動車保険をかける際、6等級のノンフリート等級が適用されることになります。
前の車のノンフリート等級が高かった場合には、保険料が大幅にアップすることもあります。
中断証明書の有効期間は標準で10年となっていますので、前に車を売ってから新しい車を購入するまでの期間が10年超あく場合には、ノンフリート等級の引き継ぎができませんので、注意が必要です。
車を売った場合の自賠責保険料の還付について
廃車にする車を売った場合には、その車の車検の有効期間が残っている場合には、自賠責保険料の還付を受けることができます。
車検が切れる前に車を売る場合には、自賠責保険を会社に手続きをして、未経過分の自賠責保険料の還付を受けるとよいでしょう。
自賠責保険は、車両にかかる保険なので、車を廃車にしない限り、未経過の保険料の還付は受けることができません。
売った車を買った人が乗る場合には、買った人が任意で自賠責保険料の未経過分を支払うという場合は別として、保険者である自動車保険会社が未経過の保険料を支払うということはありません。
自動車保険会社から未経過分の自賠責保険料の還付を受ける場合には、運輸支局等が発行する「解除事由証明書」や「一時抹消登録証明書」等の廃車を証明する書面が必要となるので、還付請求手続きの前にそれらの書面を用意しておく必要があります。
自賠責保険にはノンフリート等級がありませんので、こちらの方では、それはまったく気にする必要はありません。
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