車買取りの一括査定を利用して自動車を売る方法は、簡単な手続きで高い売却価格を獲得できるものとして最近注目を集めています。
しかし、このサイトを十分に活用して高額買取を実現するにはいくつかのコツが存在し、それを実践することが必要です。
目次
高額買取を目指すなら一括査定の利用は必須
日本では新車購入時に旧車をディーラーに引き渡す下取りが一般的です。
しかし、近年はこのディーラーへの下取り時の査定額が安すぎることが知られるようになり、少しでも自動車を高く売りたいという方は中古自動車の買取店に直接売る方法と取り始めました。
さらに最近では同時に複数の買取店の査定を受けてその査定で最高値を付けた買取店に自動車を売るという、一括査定が普及し始めています。
一括査定サイトのメリット
一括査定サイトのメリットは比較的簡単な方法で、自宅で自分の自動車のオークション(競り)を行うことができるということです。
商売の世界では複数の買い手に買値を競わせて最も高い買値を付けた買い手に商品を売却する「競り」は、簡単に商品の高値売却ができる方法として知られています。
一括査定サイトを利用して自動車を売ると高値売却ができることが多いのは、簡単に言うと「競り売り」ができるからです。
しかも、個人ユーザーが自分で企画して複数の買取店を集めて自分の自動車の「競り売り」を行うことは非常に大変ですが、一括査定サイトを使えば比較的簡単に複数の買取店の査定を受けてその金額を競わすことができます。
一括査定サイトを利用すると車はどのくらい高く売れるか
株式会社ウェブクルーエージェンシーが運営する一括査定サイト「車査定比較com」が行ったアンケート調査によると、下取りよりも買取りの方が平均で約16万円も高く売れるそうです。
また、一括査定サイトを利用した場合利用者の7割以上が5万円以上の価格差を感じたそうです。
一括査定サイトを利用して複数の自動車の相見積もりを取った場合の査定額の差額について実例を紹介します(「車査定比較com」の公式サイトより)。
車両名 | A社査定額 | B社査定額 | C社査定額 | 査定額で得した金額 |
---|---|---|---|---|
日産・セレナ | 100万円 | 138万円 | 86万円 | 52万円 |
トヨタ・ボクシー | 220万円 | 250万円 | 210万円 | 40万円 |
ダイハツ・タント | 75万円 | 84万円 | 56万円 | 28万円 |
トヨタ・プリウス | 45万円 | 56万円 | 40万円 | 16万円 |
一括査定サイトを利用して複数の買取店の相見積もりを取ると上記のようになります。
車両本体の評価額が高い水準にあればあるほど相見積もり(競り)によって契約金額が上がる確率が高くなりますが、最高値が56万円程度の車両でも最高額と最低額の差が16万円と結構な差が出てきます。
一括査定サイトの特徴について
一括査定サイトの特徴を上げると次のようになります。
- 複数社への見積もり依頼が一度の作業で申し込みできる
- 申し込みも5分以内と短時間で済む
- ディーラーの下取りより高額査定となる中古車買取専門店が多数参加している
- 大手中古車買取店も多数参加している
- 見積もりが比較でき一番高い業者がすぐわかる
これらの特徴のうち、一括査定サイトがディーラー下取りと比較して高額査定が期待できる理由として考えられるのは、中古車買取専門店および大手中古車買取店が多数参加していることです。
数多くの様々な買取店が一括査定サイトに加盟店として参加していればいるほど高額査定が実現する可能性が高くなります。
買取店には様々な特徴があり、廃車寸前のボロボロの自動車でも特殊な販売ルートを持っているため高値で買うお店、スポーツカーを専門に仕入れていてそれであれば高値で買うお店、コンパクトカーに強くコンパクトカーを専門に買っているお店などあります。
一括査定サイトで多数の買取店から見積もりを取れば、その中に売ろうとする自動車とマッチングするため高く買ってくれる買取店が含まれる可能性が高まります。
一括査定サイトにもこんなデメリットがある
一括査定サイトは簡単に自動車の査定価格を競り上げることができる便利なものですが、全くデメリットがないかというと必ずしもそうではありません。
営業電話がたくさん来る
まず、一括査定サイトには査定を依頼した直後からすさまじい勢いで買取店から営業の電話がかかってくるというデメリットがあります。
査定を申し込んでから3日以内ぐらいは、食事中でも仕事中でもドライブ中でもひっきりなしに営業電話がかかってきます。
このことを知らないでこのサイトに申し込んだ方は、営業電話のあまりのすごさにただただ驚いてしまうでしょう。
かかってきた電話にはいちいち対応しなくてはなりませんから、その手間も相当なものになります。
買取店同士で談合が起きやすい
一括査定サイトにはもう1つの大きなデメリットがあります。
それは異なる買取店の担当者同士が知り合いの場合に「談合」が起こりやすいことです。
営業電話がすごいというデメリットの方は「カーセンサーcom」など買取店からの連絡をメールに限定するオプションを選択すれば、意外と簡単に解決できます。
一方の「談合」によるデメリットの方はより深刻です。
相見積もりを行う買取店の担当者が「談合」を行っている場合には、最終的な契約金額が低めに設定されるわけですから一括査定サイトを使うメリットが半減します。
買取店の担当者が「談合」を行うのを防止するためには、複数の買取店の出張査定の日時を同じ日同じ時刻に設定する同時一括査定を行うことで買取店の担当者が「談合」をする余裕を与えない方法が効果的です。
相見積もりで高価買取を引き出す交渉のコツ
相見積もりの良いところはユーザー自身が買取店と価格交渉をしなくても、査定を依頼した複数の買取店の中で最も高い査定額を提示した買取店と売買契約を結べば、高額買取を実現できることです。
これは、買い物をする際に何件ものお店を回って一番安いお店を探す手間がかからないことに例えることができます。
価格交渉術が分からなくても高額買取を実現できるのがこの方法の魅力と言えます。
一括査定サイトを利用した自動車売却手続きの中で価格交渉が必要になる場面があるとすれば、例えば、査定に参加した買取店がほぼ横並びの査定額を提示した場合に、その査定額の水準では自動車を売る気にはなれないため、その査定額を提示した買取店の中の1社と価格交渉を行う場面でしょう。
買取店と価格交渉を行う場合のコツとしては、まず自分の希望価格を相手に言わないことがあげられます。
最近は一括査定サイトに査定を申し込む前に、売ろうとする自動車の評価額を計算するシミュレーションサイトなどを利用して、だいたいの査定額の予想を立てていらっしゃる方も多いと思います。
そういったサイトからの情報を参考として希望価格を設定されていると思いますが、買取店の担当者にその希望価格を言ってしまった場合には、買取店の担当者が考えている査定対象車両の査定額がその金額を上回る場合には、希望価格が契約金額となります。
もしユーザーが希望価格を買取店の担当者に言わなかったら、もっと高い価格で売ることができた場合でも交渉はそこで終わってしまいます。
査定時の交渉には乗らないことが大切
自動車の買取りにおいては、一番最初に売主に連絡を付けた買取店が最も契約を獲得しやすいと言われています。
それゆえ、一括査定サイトに査定を申し込んだ瞬間に一番最初に売主に連絡を付けようとして、営業電話がひっきりなしにかかってくる現象が生まれます。
一番最初に売主に連絡を付ければ一番最初に出張査定が行え、そうすれば契約を獲得できる可能性が非常に高くなるからです。
商売を職業としていない方であれば、買取店の担当者と価格交渉をしたり契約書にサインしたりといった面倒くさい手続きは早く済ませたいものです。
それゆえ、最初に着た買取店の査定士が提示する査定額がまずまずの水準であれば、例えもっと高く自動車を売れる可能性があったにしても最初にきた買取店と契約をしたいという心理が働きます。
しかし、それでは高値買取を期待して一括査定サイトに申し込んだ意味がありません。
断るのが苦手な方もわざわざ遠方から来てくれた買取店の担当者に悪いと思ってしまい、最初の出張査定にきた買取店の契約書にサインしがちです。
しかし、買取店の担当者は相見積もりに慣れていますし、1日に多数の案件を抱えてあちこちを回っていますので、1か所で断られてもほとんど気にすることはありません。
車買取り一括査定で高額買取りを実現するコツのまとめ
査定額に納得がいけばすぐに売るという意思をみせること
査定士は、ユーザーが本気で車を売ってくれるかどうかを見ています。
ユーザーが本気で車を売る気があると分かれば、査定額を多少UPしてもよいと考えています。
一方で、ただ価格比較をされているだけだと感じると、査定士はギリギリまで査定額を上げようとは考えません。
査定士が可能な最高額の査定額を提示してもらうためには「査定額に納得がいけば本気で売るんだ」という意思を見せることが大切です。
と言うのは、出張査定においては全くのNGです。
もしそうであるとするならば、インターネット上で個人情報入力不要で中古車査定額の概算額を計算するサイトで調べればよいのであって、わざわざ遠方から来てくれている査定士に対してそういう態度では非常に失礼です。
そのような場合には査定士の方でもまじめに査定をしてくれません。
買取交渉では査定上限額を基準にする
車の査定額を限界まで上げる方法は、複数(最低度も5社以上)の買取店の相見積もりを取ることです。
買取店には様々な特徴があります。
例えば、SUVやミニバンを得意とするとするお店、コンパクトカーを得意とするお店、事故車を得意とするお店などです。
複数の買取店の相見積もりを取ると、その中に自分が売ろうとする車の買取りを得意とするお店が含まれる可能性が高くなり、その分高額買取が期待できます。
中古車査定での査定上限額は、次にように言われています。
ディーラー利益率の平均値は約15%と言われています。
例えば、中古車市場で115万円で売られている車を査定に出すとした場合、その査定額の上限額は90万円となります。
中古車査定の査定上限額を知っていると価格交渉を有利に展開できます。
買取店と車の買取交渉で高額査定を獲得するためには、中古車査定での査定上限額を目標にギリギリまで粘ることです。
査定上限額を知ることは買取店の査定士の手の内を知ることです。
査定士が
と言っても、その金額が査定上限額以下であればその査定士は嘘を言っていることになります。
査定上限額を知っていれば査定士に騙されにくくなります。
担当営業マンの心象にも訴えかける
査定士も人間ですので、気持ちよく査定ができる場合とそうでない場合には査定額が違ってくることがあります。
査定前に洗車や車内清掃を行うようにとよく言われますが、査定基準では、洗車や車内清掃が行われていてもいなくても査定に影響はないことになっています。
しかし、汚れたままで査定を受けると査定士の心象が悪くなって、全体的に査定額ポイントが悪くなることがあります。
査定とのコミニケーションも大切です。
コミニケーションが大切といっても、査定士と話過ぎてユーザー側の買取希望額をうっかり漏らしてしまうことはNGですが、挨拶をしっかりするとか本気で売る姿勢を示すとかで、査定士とのコミニケーションをよくしておけば査定額のUPに繋がることがあります。
車の良い点を積極的にアピールすることも大切です。
ユーザーが自信をもって車の良い部分をアピールすると、査定士はユーザーが車を大切に取り扱ってきたという印象を持つでしょう。
すると、査定額が上がる可能性が高くなります。
売買の即決はNG
査定士に「本気で車を売る」という意思を示すことは大切ですが、売買の即決はNGです。
というのは、査定士の決めセリフのようですが、意外とその金額が他の買取店の査定額より安かったりします。
売買の即決を決めていると査定士のこのセリフに簡単に引っかかってしまいます。
ちなみに、あらかじめ査定上限額を調べておくとこのセリフには引っかかりません。
契約書にサインした後により高い査定額を提示する別の買取店が現れたために、先に契約した買取店との契約をキャンセルしたいというケースがよくありますが、そのような理由でのキャンセルはトラブルに発展する可能性が高くなります。
売買の即決を決め込んでいるとこのパターンに陥る可能性が高くなります。
契約書にサインするのはすべての買取店の査定が終わってからというのが理想的です。
中古自動車は新年度が開始する4月からの販売増に備えるために、毎年1月~3月頃に需要が増大するので高値買取りが期待できると言われています。
高値買取りが期待できる時期であれば売買の即決が良い結果を生む場合もあります。
中古自動車の相場は時期によって変動するのでケースバイケースで考えなくてはいけません。
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