査定の基礎知識

中古車査定のクラス係数とは?査定額にどう影響するのか?

車とお金

ボディについた同じようなひっかき傷でも、高級外車についたものと、軽自動車についてものでは、査定に与えるマイナスの影響は異なってきます。

実際の査定においては、クラス係数というものを用いて、この違いを査定額に反映させています。

中古車査定のクラス係数とは何か?

中古車査定の多くは、JAAI(日本自動車査定協会)の定める基準にしたがって行われます。

JAAIの基準に従えば、中古車査定は、キズや凹みの有無、修理歴の有無などのさまざまな項目をチェックして、その加減点を、車種、年式、走行距離で定める基本価格に加えて査定額を計算するという方法で行われます。

ここでチェックされる項目は、どの車種でも同一となっています。

点数は、1点が約1,000円となっています。

たとえば、ボディーに鍵のひっかき傷があり、10点の減点となる場合、査定額は10点×1,000円=10,000円減額されます。

さてJAAIの基準では、チェックされる項目と、それに対応した加減点は全車種共通ですが、車のレベルクラスに応じて、修理費用は異なってきますから、そのまま実際の査定に適用すると、正確な査定額は計算されません。

たとえば、高級車と軽自動車に再塗装が必要な5cm程度の傷が付いていたとします。

高級車に使われている塗料と、軽自動車に使われている塗料とでは、高級車に使われている塗料の方が高いのが普通ですから、それに差異を儲けないと、適正な査定額は計算できないことになります。

そこで、自動車査定協会(JAAI)の定める査定基準では、中古自動車を以下の8種類のクラスに分類し、各クラスに係数を設けることで、適正な査定額になるように調整しています。

  • 特C
  • 特B
  • 特A

再塗装が必要な5cm以内のボディのキズの減点が10点とすると、国産車のもっとも高いクラス係数は特Cの2.2なので、このクラスに属する自動車のボディにこの程度のキズが付いていた場合の査定額の減額金額は22,000円になります。

減点金額:10点×2.2×1,000円=22,000円

反対に、軽自動車のクラス係数は0.7なので、このキズが軽自動車についていた場合の査定額の減額金額は7,000円となります。

減額金額:10点×0.7×1,000円=7,000円

基本価格に対する加減点の影響

中古車査定においては基本価格に、その自動車のクラスと状態に応じた加減点を加えて評価します。

実際の査定においては、基本価格が非常に重要な役割を果たし、このクラスが査定額に与える影響は非常に限定されていますが、査定に出そうとする自動車がどのクラスに属するかを知っておくと、ある程度役に立ちます。

たとえば、同じ純正ナビが付いていたとしても、特Cクラスのトヨタ・レクサス・LS600sと軽クラスのスズキ・ワゴンRでは、加点される点数が異なってきます。

逆に、同じようなキズがボディに付いていたとしても、クラスが異なる自動車だと減点される点数も異なります。

一般的に言って、純正ナビが付属していることやエンジンの状態が良好であるなど、加点となるものについては、最下級の軽クラスから最上級の特Cクラスに上るにしたがって、同一の状態における加点の幅が大きくなってゆきます。

反対に、ボディのキズやエンジン不調等、減点となるものについては、最下級の軽クラスから最上級の特Cクラスに上るにしたがって、同一の状態における減点の幅が大きくなってゆきます。

国産車の種類ごとのクラス係数について

コンパクトカー
国産車のクラス係数は、特Cから軽までの8段階あります。

各段階のクラス係数を表示すると、以下のようになります。

特C 特B 特A

2.2 1.8 1.5 1.4 1.2 1.0 0.8 0.7

第Ⅳ段階のクラス係数が1.0ですので、この段階に属する自動車の査定額は、JAAI定める査定項目に対応する加減点金額が、そのまま、基本価格から加減する金額になります。

それ以外のクラスに属する車両の場合、クラス係数が1.0以外となっていますので、JAAI定める基準で計算したか加減する金額に、クラス係数による整を加えた金額を、車両の基本価格に加減して、査定額を計算します。

国産車のクラス係数の分類は、特Cから軽までの8種類があります。

そこで以下では、各クラスについて、それに属する代表的な車種について、表示します。

査定前に、自分で、売ろうとする自動車の査定額の概算を計算する場合、自分の自動車がどのクラスに属していて、そのクラスのクラス係数はいくらかといいうことも、考慮しなくてはなりません。

クラス「特C」のメーカー別代表的車種

クラス「特C」に属する各メーカーの代表的車種は以下のとおりです。

メーカー 車種
トヨタ(レクサス) センチュリー・LS600hl
日産 プレジデント・GT-R
三菱 デグニティ

クラス「特B」のメーカー別代表的車種

クラス特Bに属する各メーカーの代表的車種は以下のとおりです。

メーカー 車種
トヨタ(レクサス) セルシオ・LS460L
日産 シーマ(ハイブリット50系)
三菱 ブラウディア

クラス「特A」のメーカー別代表的車種

クラス「特A」に属する各メーカーの代表的車種は以下のとおりです。

ホンダは、このクラスから登場してきます。

メーカー 車種
トヨタ(レクサス) ソアラ・マジェスタ
日産 シーマ
三菱 デポネア
ホンダ NSX

クラス「Ⅰ」のメーカー別代表的車種

クラス「Ⅰ」に属する各メーカーの代表的車種は以下のとおりです。

このクラスになると、、該当する車種が多くなってきます。

メーカー 車種
トヨタ(レクサス) クラウン・ウェルファイア
日産 フーガ・セドリック
三菱 ディアマンテ・キャンター
ホンダ レジェンド・エリシオン
マツダ センティア・タイタン

クラス「Ⅱ」のメーカー別代表的車種

クラス「Ⅱ」に属する各メーカーの代表的車種は以下のとおりです。

メーカー 車種
トヨタ(レクサス) マークX・カムリ
日産 スカイライン・ディアナ
三菱 デリカD5・パジェロ(ショート)
ホンダ インスパイア・オデッセイ
マツダ アテンザ・トリビュート
スバル レガシィ・ビックホーン

クラス「Ⅲ」のメーカー別代表的車種

クラス「Ⅲ」に属する各メーカーの代表的車種は以下のとおりです。

このクラスは、クラス係数が1.0に設定されている標準クラスです。

普通に街でみられる自動車の多くは、このクラスに分類されています。

メーカー 車種
トヨタ(レクサス) プリウス・ウィッシュ
日産 ブルーバード・セレナ
三菱 ギャラン・アウトランダー
ホンダ アコード・ステップワゴン
マツダ ロードスター・プレマシー
スバル インプレッサ・フォレスタ―

クラス「Ⅳ」のメーカー別代表的車種

クラス「Ⅳ」に属する各メーカーの代表的車種は以下のとおりです。

このクラスには、コンパクトカーと呼ばれる普通車の小型車が多く含まれています。

メーカー 車種
トヨタ(レクサス) アクア・ヴィッツ
日産 キューブ・マーチ
三菱 ランサー・パジェロジュニア
ホンダ フリード・フィット
マツダ デミオ・ファミリア
スバル トレジア・ドミンゴ

クラス「軽」のメーカー別代表的車種

クラス「軽」に属する各メーカーの代表的車種は以下のとおりです。

軽自動車であれば、すべてこのクラスに所属します。

メーカー 車種
トヨタ(レクサス) ビクシス
日産 ディズ・モコ
三菱 ミニカ・ekワゴン
ホンダ ライフ・パモス
マツダ AZワゴン・フレア
スバル アルト・ハスラー

輸入車のクラス係数について

今まで国産車のクラス係数について見てきましたが、次に、輸入車のクラス係数について見てみます。

輸入車のクラス係数は、以下の7段階に区分されています。

7.0 3.6 3.0 2.4 1.7 1.3 1.0

もっとも高い「特」クラスでは、クラス係数が7.0となっています。

ですので、ちょっとした鍵のひっかき傷で、普通の国産車であれば10,000円くらいしか査定が下がらないようなものが、「特」クラスに属する外車についていた場合、査定額は70,000円ダウンします。

こういった高級外車を査定に出す場合には、専門業者に委託して車内クリーニングを行なうなど、国産の普通車の査定では割に合わないので、やめた方が良いとされることでも、実施した方が良いというケースも出てきます。

クラス係数が高い外車を査定に出す場合には、普通の国産車を査定に出す場合とは、取り扱いを変える必要があります。

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