事故車の買取

事故車の買取り査定額が決まる基準や相場とは

自動車

事故車の査定額の相場や買取査定額が決まる基準を知っておくことは、実際に事故車を中古自動車買取業者に売却する際に役に立ちます。

そこで、以下では、それらについて解説します。

事故車の買取価格の算出方法の基本について

中古自動車の買取価格の決定の算出方法の基本は、対象となる中古自動車の年式、型式、走行キロ数などからは判断されるその自動車の相場から、その自動車の修復歴等による減額分を差し引いた金額となります。

事故車(修復歴車)の相場の場合、その修復歴車と同等程度の年式、型式、走行距離の他の中古車が事故車でないとした場合の相場から、事故車であることの減額分を差し引いて、その買取相場が決定されます。

たとえば、平成○○年式、三菱パジェロジュニア、型式E-H57A、走行距離約3万キロの中古自動車の相場が30万円だと仮定します。

この自動車に修復歴があると事故車扱いとなるため、それによる評価減が25万円だったとします。

すると、この車の評価額は5万円となります。

30万円-25万円=5万円

修復歴車の区別は重要

なお、事故車の買取り査定においては、「修復歴車」と「単に修理しただけの車」の違いは重要です。

まず、修復歴車とは、自動車査定に対する各種の団体が統一して定める基準により、自動車の主要部分と認定された部分を修理または交換した自動車のことをいいます。

一方、修理した車とは事故により自動車を修理したが、その修理にかかる部分が、上記の統一基準に定める主要部分に該当しない場合のその自動車のことをいいます。

たとえば、バンパーやフェンダーを交換したとか、事故によるトランク部分のヘコミをたたいて直した程度では、修復歴車ではありません。

傷が付いた車

修復歴車も修理した車も同じく事故車といいますが、査定上の取り扱いは大きく異なります。

修復歴車は、査定における評価の際に、大幅に減額される要素となります。

一方、修復歴車に該当しない車は、見た目で分かる修復跡が残っている場合には、査定に影響を与える場合もありますが、査定にそれほど大きな影響は与えません。

買取業者の持つ販売ルートは修復歴車の買取価格に影響を与える

修復歴車の買取りの場合、買取業者がどのような販売ルートを持っているかは重要な要素となります。

修復歴車が大幅に減額されるのは、日本国内の中古車市場では、修復歴車は敬遠される可能性があり、まったく販売できないか、販売できても非常に低い価格でした販売できないという傾向があるからです。

しかし、海外に目を向けると、一部の発展途上国においては、修復歴車でも日本製の自動車であれば、高い値段で販売できる国もあります。

そういった国に販売ルートを持っている業者であれば、修復歴車でも高額買取りが可能です。

交通量が多い道路

たとえば、国内の中古車市場でのある修復歴車の評価額が50,000円だったとします。

すると、日本の国内にしか販売ルートを持たない買取業者(A社とします)ならば、手数料などを考えると、50,000円でしか売れないものを買っても仕方ないと考えるので、A社のユーザーからの買取価格は、0円とか廃車費用相当額程度になります。

しかし、同じ修復歴車を、発展途上国に販売ルートを持つB社であれば、日本円に換算して500,000円で販売できるとします。

この場合、B社は、ユーザーに対して高額の買取価格を提示できます。

この場合には、200,000円とか300,000円の値段で買い取っても、B社は利益を上げることができるからです。

なお、買取業者が事故車を高く買取りできるのは、海外に中古車販売ルートを持っている場合に限りません。

たとえば、自動車の中古パーツの販売ルートを豊富に持っている業者や、自動車の解体によって出る金属や樹脂などを素材として販売できる業者の場合も、修復歴車を高く買い取ることができる可能性があります。

事故車の買取り査定で注意すべき点

修復歴車には買取価格が付かないという考え方は、国内の中古車販売ルートしか持たない買取事業者のみに限定すれば、確かに当てはまります。

しかし、修復歴車を上手にさばける業者ならば、修復歴車であっても高値で購入したいと考えるので、その場合には、上記の考えは当てはまりません。

しかし、たとえ修復歴車の販売に長けている買取業者であっても、その買取業者にとって販売が得意な車種とそうでない車種がある場合があります。

たとえば、海外に日本車の販売ルートを持っている業者でも、その海外の国で、日本車に高い評価がされているとしても、高く売れる車種とそうでない車種は存在します。

交通量の多い道路

車種によって海外に販売できる自動車とそうでない自動車が分かれている場合もあります。

よって、1社だけの見積もりだと、修復歴車を上手くさばける買取業者でも、車種が合わないため、高い値がつかない場合もあります。

また、業者によっては、購入した修復歴車を高く転売できるにもかかわらず、わざと低額の価格をユーザーに提示して、できるだけ多くの利益を上げたいと考えるところもあります。

修復歴車は一般的には二束三文の値が付かないと考えられていますから、こういった業者に買取りを依頼すると損をしてしまいます。

事故車の買取り査定で重要なこと


修復歴車の買取査定で重要なことは、複数の買取業者に見積もりを依頼することです。

複数の買取業者に依頼すると、その中には、買取り依頼する修復歴車を高値でさばける販売ルートを持ち、かつ、修復歴車であることを理由に買いたたきを行わない良心的な業者が現れる可能性が高まります。

1社のみの見積もり依頼だと、その業者が対象となる修復歴車のよい販売ルートを持っていなかったり、仮に持っていたとしても、足元をみて、買取価格を不当に引き下げる業者だったりします。

複数の買取業者に依頼すれば、そういった業者に引っかかることはありませんし、複数の買取業者の見積もりを比較することで、対象事故車の買取価格のおおよその相場を知ることができ、非常に参考になります。

一般的な中古自動車の査定基準について

一般的な中古自動車の買取り査定は、日本自動車査定協会等によって定められた基準によって行われます。

この基準には、約50項目の確認事項があり、それらの結果に基づいて、中古自動車の査定価格が決定されます。

その確認事項の主なものは次のとおりです。

  • エンジンに異常はないか
  • 外装や内装にキズはないか
  • ブレーキ、ステアリング、サスペンションは正常か
  • 車検の残存期間はどのくらいか
  • バッテリーやライト類が正常か
  • 修理歴の有無

なお、確認事項の評価は、買取業者の担当者が行いますが、確認事項の評価に関して担当者の主観が入りますので、まったく同じ自動車を査定しても、担当者が異なると、査定額が変わってきます。

最終的な査定価格は、上記の基準をもとに算定された基本価格に、買取業者の販売力や利潤率、買い取った車両の整備費等による調整を経て決定されます。

よって、基本価格が低くても、買取業者の販売力が高ければ、それによる修正により、査定(買取)価格が急に上昇する場合もあります。

たとえば、買取業者に次のような事情がある場合には、査定額は急に上昇します。

  • ハイブリットカーの在庫が切れているので、早急にハイブリットカーを仕入れたい
  • 輸出用のジープが飛ぶように売れているので、ジープが大量に必要
  • トヨタの86の販売を頼まれているので、それを確保する必要がある

買取業者の特殊事情により、同じ中古車であっても査定額に大きな開きが生ずる場合があります。

よって、中古自動車の販売で損をしないためには、必ず複数の買取業者の査定を依頼するようにします。

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