仲介業者を介して車の売買を行う場合には、車の引き渡しや代金の支払いは仲介業者の担当者が丁寧にサポートしますから、ユーザーは気をつかう必要はまったくありません。
しかし、個人売買の場合には、車や代金の受け渡しをユーザー自ら行う必要があるので、それらのことについて知っておく必要があります。
目次
個人売買での車の引き渡しと代金の支払いは同時が原則
車の個人売買で、車の引き渡しと代金の支払いは同時に行うのが原則です。
売主と買主がそれぞれ遠く離れたところに居住している場合には、引き渡しと代金の支払いを同時に行うことが困難な場合もありますが、それぞれが近所に住んでいる場合には、車の保管場所に売主と買主が集まり、その場で車の引き渡しと代金の支払いを行うことができます。
車の引き渡しを先にすれば、車は引き渡したけれども、代金が支払われないというトラブルが発生します。
反対に、代金の支払いを先にすれば、代金は支払ったけれども、車が引き渡されないというトラブルが発生します。
引き渡しと支払いを同時に行えば、そういったトラブルは起こりようがありません。
買主が遠隔地に居住する場合の車の引き渡し方法について
車の買主が遠隔地に居住する場合の車の引き渡し方法は、陸送業者に依頼して、車の保管場所から買主の住所地まで、車を移動するという方法と、売主が自分で車を運転して、買主の住所に届けて、バスや電車で自宅に戻ってくる方法、反対に、買主が車の保管場所まで電車やバスでやってきて、その場で車を引き取り、その車を自分で運転して自宅まで変える方法があります。
売主と買主が日帰りができる距離にそれぞれ居住する場合には、陸送業者に依頼しないで、売主または買主が自分で車を運転するという方法で車を移動させるという方法を採りやすいのですが、売主が東京、買主が大坂というように、日帰りが難しいほどそれぞれ遠方に居住している場合には、陸送業者に運んでもらったほうが合理的です。
陸送する場合の陸送料の目安は、千葉県八街市に本店のある陸送会社「有限会社アルファプラス」がWeb上で公開している料金表によると、以下のとおりとなっています。
配送エリア | 陸送費 |
---|---|
有明埠頭(東京都江東区)~千葉市内 | 6,000円~ |
有明埠頭(東京都江東区)~東京23区内 | 6,000円~ |
東京23区~名古屋市内 | 35,000円~ |
東京23区~大阪市内 | 45,000円~ |
車を陸送する場合の代金の支払方法について
売主と買主が車の保管場所において車を引き渡す場合には、買主がその場で代金を支払うことができます。
その方が、トラブル回避になりますし、手続きも簡便です。
一方、車を陸送する場合には、売主が、車を陸送業者に引き渡す前に、先払いで買主が口座振替などの方法で、代金を支払うか、あるいは、買主が、車を陸送業者から受け取った後に、後払いで、口座振替などの方法で、代金を売主に支払うかの、いずれかになります。
代金の支払より先に車を引き渡せば、売主が、車を引き渡したけれども、代金を回収できないというリスクを負います。
反対に、代金の支払いを先にして、車の引き渡しを後にすれば、買主が、代金を支払ったけれども、車を手に入れることができなかったというリスクを負います。
陸送業者による車の引き渡しの場合には、売主か買主のいずれか一方がリスクを負わなくてはなりませんが、どちらがリスクを負うかは、すなわち、代金の支払いを先にするか、車の引き渡しを先にするかは、売買契約の段階で、売主・買主の双方で話し合って決めておかなくてはなりません。
車の個人売買で売主が注意すべきこと
車の個人売買で売主が注意すべきことで一番重要なのが、売買代金がしっかり回収できるかどうかということです。
その点では、引き渡しと同時に、売買代金の全額を現金で一括して支払ってもらえば一番安心です。
代金の回収以外に注意すべき点としては、買主に、車の引き渡し後、すみやかに、車の名義変更手続きを行うように念を押すことです。
車の名義変更手続きが遅れた場合には、車を手放した売主に対して自動車税が課税されることになります。
一番確実なのは、車の引き渡し後、売主と買主が一緒に運輸支局に出向いて、車の名義変更手続きを行うことです。
もし、買主が、車の引き渡し後に、名義変更手続きを行うかどうかが不安だとすれば、売主の方で、自動車登録の抹消手続きを行ってから、買主に車を引き渡すという方法もあります。
車の個人売買で買主が注意すべきこと
車の個人売買で、買主が注意すべきことで一番重要なのが、確実に、車の引き渡しを受けることです。
まれに、代金は支払ったけれども、売主が突然行方をくらまして、車の引き渡しを受けることができず、お金だけだまし取られた、という事態も起こります。
確実に車の引き渡しを受けるためには、車の引き渡しと代金の支払いを同時に行う方法がもっとも確実です。
車の引き渡しを受けた場合には、すぐにエンジンの調子を確認し、不具合があれば、直ちに、売主に連絡します。
そうしないと、売主に対して、エンジンなどの修理代を請求できなくなります。
車の引き渡しを受ける際には、売主から以下の書面や物品を受け取っておきます。
- 譲渡証明書
- 委任状
- 印鑑登録証明書
- 車検証
- 自賠責保険証明書
- 自動車税納税証明書
- 自動車リサイクル券
- 車の説明書
- 点検記録簿
- ナビゲーションのROM
- カーステレオのリモコン関係
- スペアキー
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