長い期間同じ自動車を運転していると、走行距離が10万キロを超えるようになってきます。
そのような自動車を中古車買取事業者に買取依頼をした場合、査定額はいったいどのくらいになるのでしょうか？
走行距離が10万キロを超えると査定額がほぼゼロになる？
普通自動車で、走行距離が10万キロを超えると、マニュアル車もAT車もドライブトレーン（エンジンで発生した動力をタイヤに伝達する一連の機構）に不具合が出てくると言われています。
そのような不具合を新車と同じ水準までに回復するとした場合、修理費が結構な額となり、場合によっては、修理後にその中古車を販売した場合の販売価格を上回る場合もあります。
よって、走行距離が10万キロを超える中古自動車は、商売にならないため、中古自動車販売業者は買いたがりません。
中古自動車を売りたいという方を上手に断るもっとも簡単な方法は、査定額をゼロとすることです。
したがって、中古自動車業者は、購入しても割に合わない走行距離が10万キロを超える中古自動車の買取を依頼された場合、0円査定を行うことが多くなります。
走行距離5万キロを超えると買取価格が急に落ちる
走行距離が5万キロ以内の自動車であれば、オイル交換や12カ月点検などの軽微な整備を行えば、中古車として再販売することが可能です。
しかし、走行距離が5万キロを超えてくると、再販売するには、比較的大きな整備が必要になるケースが増えます。
その一方、中古車を買おうとする人は、走行距離が5万キロを超えるような自動車を敬遠する傾向があるため、高い値段がつきにくく、中古車販売による利益が少なくなります。
つまり、走行距離が5万キロを超えてくると、販売にかかる費用が増加する一方で、売値が下がってくるので販売により利益が減少し、販売業者にとってメリットが少なく、仕入れに積極的でなくなり、その結果、あまり良い査定額を付けなくなります。
このような理由で、走行距離5万キロを超えると中古自動車の買取価格が急に落ちます。
10年10万キロで査定ゼロ
税法上の耐用年数は、普通車で6年とされています。
耐用年数が6年ということは、たとえば、120万円で新車を購入した場合、6年でその税法上の価格がゼロとなるので、120万円÷6＝20万円で、毎年20万円ずつ価値が下がっていくことになります。
よって、税法で規定されている耐用年数を基準にすると、新車登録から6年を経過した自動車は査定額がゼロとなることになりますが、実際には、新車登録から中古車の査定がゼロとなるまでの期間は、もう少し長くなります。
一般的には、新車登録から約10年で、中古車の査定がゼロになると言われています。
普通自動車は1年で1万キロ走ると言われていますので、新車登録から10年というと、だいたい、走行距離が10万キロとなっています。
よって、走行距離基準でも時間基準でも、中古車査定がゼロになる時期はおおよそ一致しています。
走行距離が10万キロの中古自動車は売れるのか
走行距離が10万キロ以上の自動車の査定額がゼロになることが多いと言っても、そういう自動車がまったく売れないというわけではありません。
走行距離が10万キロを超える自動車で、中古車として販売できなくても、部品を取得して中古の部品市場で販売するという利用方法があります。
また、海外には日本車の評価が非常に高い国があるので、そういう国では、走行距離が10万キロを超える自動車でも、非常に良い値段で売れるので、輸出という利用方法があります。
よって、中古部品市場や海外への販売ルートをもっている中古車買取店の場合には、走行距離が10万キロ以上の自動車でも、よい値で買い取る場合もあります。
走行距離が10万キロを超える自動車の場合、大半は値段がつかないのですが、多くの買取店を当たるうちに、運よく高値で買い取る店が見つかることもあります。
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